147.トラブルが続く工場の改善

以前にも書いたかもしれないが、リタイアした研究職や研究マネージャーに対するニーズはあまりないようです。あるところに登録しようとして面談を受けたときにはっきりと言われたこともあります。

私の場合、工場で医薬品や食品の品質保証・管理をした経験に価値があるようです。

 

先日、私のいた味の素社と業種も業態も異なる会社の人から、「トラブルや出荷遅延の多い工場を立て直すにはどうしたらいいでしょうか」という相談を受けました。

「工場の生産性をあげる、改善する手法を書いた書籍はたくさんありますよ」と言ってしまっては元も子もないし、私のコンサルタントとしての生業がたちゆきません。

 

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私からのアドバイスは、以下の通りです。
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工場長、製造部長・・・)を交代させるべきですが、人事関係は調整に時間がかかるし、工場の期待値がそれほど高くない(例えば主力工場ではない)場合、それなりの人をトップに配置できるかどうか、会社も人材が限られているので難しいと思われます。

このような工場では連日、生産だけでなくトラブルに追われ、働く人たちの士気も低下しているにちがいないので、そこにも手を入れる必要があります。

 

まず、やるべきことは「見える化」することでしょう。「工場内・外に問題点とその要因を正確に洗い出し共有化する」ことです。昔は要因解析図のようなものがありましたが、現在はもっと有力なツールがあるのかもしれません。

また、工場トップあるいは本社サイド(例えば生産管理部門のトップ)が、「方針と方向性を分かりやすく示す」べきです。出来ればバックキャスティングがいいのですが、現状をなんとか打開しなければならないのであれば、短期のマイルストーン、全員が「がんばれば届くかも」と思えるレベルの目標を示すことで十分でしょう。

そして、それぞれの課題に対して、内部で解決出来そうなものは担当者を決め、工場外との折衝が必要な場合は部長、工場長クラスが対応していきます。担当者には権限を与えます。大切なのは、上長は担当者に「権限を与えても責任はとらせない。責任は上長がとる」ことを最初に約束することです。担当者に責任を負わせてはいけません。もちろん定期的な報告をさせることは忘れずに。

もっとも大事なことは、「トップは工場で働く人全員の話を聞く時間をつくること」です。いわゆる面談をします。大変な作業ですが、面談はトップと部下の距離が近くします。部下の思いを聴くことに集中しましょう。トップは傾聴あるのみ。しかし自分の気持ちは伝えましょう。

 

ここまでの回答は「無料」です(笑)
もしみなさんのご参考にもなればと思い、メモをここに残しておくことにしました。

 

万一、その職場の幹部として異動になったら?!
「過去を何も知らないふりが出来ることが強み」です。大ナタをふるって、改革してしまいましょう。

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