3.人はそれぞれ 

家にいることが増えました。 

毎日出勤する生活でなくなり、またコロナ禍では、趣味の一つであった美術館でぼーっと時を過ごすこともしにくくなりました。十数年、週末ジムに通っていましたが、「密な環境」での運動に嫌気がさして退会しました。 

否応なく出来るだけ、散歩をするにしています。 

多摩川辺も散策コースの一つです。多摩川原橋と多摩水道橋との間はちょうど5kmあり、両岸、つまり川崎側を歩いたり、東京側歩いたりすることが出来ます。以前は、早く歩いたり、ジョギングをしたりして、時速を気にしていましたが、小さな突起物に躓いて、左手中指を骨折してからは、時間を気にするのをやめました。 

怪我の功名ではありませんが、多摩川や周りの景色を観察する余裕が出てきました。治水がよく出来ていて、かなり雨が降っても水量に大きな変化はありません。風、空の色や高さ、山並みだけでなく、遊歩道の周りの雑草にも季節の変化を感じることが出来ます。 

河原では野球やサッカーの練習をしている子供たちだけでなく、フリスビー、スケートボードに興じる若者や家族連れ、釣りをしている人、釣りを見ている人、寝転がっている人、老夫婦や若いペア、犬の散歩をしている人、もちろん、サイクリングやジョギングする人も多くいます。 

平日の夕方だと、近くの学校のクラブ活動で走っている生徒たちがいます。速い人も多いですが、運動部に在籍しているのにこんなに足が遅くて活動についていけるのかと心配になるほど、先頭から大きく離されて顔を真っ赤にして走っている生徒さんもいます。でもみんなの一所懸命走っています。 

一般のジョガーのスピードもまちまちです。先日、ジョギングの足音は聞こえるのだけど、速足で歩いていた私を抜かさない(抜かせない)同年代と思われる女性もいました。 

多摩川は、多くの人がその空間と時間を共有していますが、競うとかいう感覚ではなく、人それぞれが目標、目的をもっているように感じます。 

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