分析化学Tips

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(52)シリーズ 血液中のアミノ酸測定の標準化 ⑨ 採血直後からとにかく冷やす!新着!!

1.採血後の血液は急冷する 遊離アミノ酸を正しく測定するためには、血液試料の室温放置は厳禁です。 採血直後の血液は37 ℃くらいですから、採血管内でも血液中の代謝酵素は活性状態にあります。例えば、アルギニンはアルギナーゼ […]

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(51)シリーズ 血液中のアミノ酸測定の標準化 ⑧ 試料が血漿でなければならない理由新着!!

1.血清ではいけないのか? 血漿と血清、言葉の響きも見た目もよく似ています。 採血して「室温で放置」すると、体内の止血機序と同じ作用が働き、採血管内で血液が固まって沈殿します。 その沈殿を「血餅」といい、上清の淡黄色の液 […]

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(50)シリーズ 血液中のアミノ酸測定の標準化 ⑦ 戦いは「いつ採血するか」から始まっている

アミノ酸測定では、いつ採血をしてもよいというわけではありません。 血漿遊離アミノ酸濃度の恒常性は高いのですが、概日リズム(サーカディアンリズム)があることも知られています。アミノ酸の中には、1日の中で約30%も濃度が変動 […]

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(49)シリーズ 血液中のアミノ酸測定の標準化 ⑥ 血液中のアミノ酸測定は問題だらけ!?

臨床検査の「アミノ酸分画」では、どの程度のアミノ酸濃度の違いを見ていたのでしょうか? 先天性代謝異常では特定のアミノ酸濃度は明らかに異常値となります。 フィッシャー比は正常値が3~4、疾患の判定基準が1.8以下です。極端 […]

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(48)シリーズ 血液中のアミノ酸測定の標準化 ⑤ 9分でアミノ酸を正確に測定できる時代

 測定に120分を要していたアミノ酸分析の世界に、画期的な進歩がありました。 アミノ酸38種類を9分で測定する方法が開発され、大手の臨床検査会社で実際に使用されています(図1)。 プレカラム誘導体化LC/MSという原理で […]

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(47)シリーズ 血液中のアミノ酸測定の標準化 ④ アミノ酸分析計は正確無比!しかし測定時間が120分!

 臨床検査項目であるアミノ酸分画は、HPLCによる全自動アミノ酸分析計で測定されています。アミノ酸分析計の第一人者である日立ハイテクノロジーズの伊藤正人氏が、和光純薬時報で分析計について熱く・詳しく説明されていますのでご […]

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(46)シリーズ 血液中のアミノ酸測定の標準化 ③ なぜ血液(血漿)中のアミノ酸はバイオマーカーとなるのか

 ところで、これまで「血液中の」と書いてきました(シリーズの題名も「血液中のアミノ酸測定の標準化」です)が、私たちが扱う(扱わなければいけない)のは、血液の成分の一つである「血漿(けっしょう)」中のアミノ酸です。  血漿 […]

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(45)シリーズ 血液中のアミノ酸測定の標準化 ② 血液中のアミノ酸濃度は疾病判定や健康リスク診断に有効です

血液中の遊離アミノ酸濃度の変動は、フェニルケトン尿症などの先天性代謝異常の診断指標、肝機能不全の重症度判定や治療の指標であり、栄養状態不良の患者の病態把握にも用いられます。    フィッシャー比は肝疾患の診断や予測として […]

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(44)シリーズ 血液中のアミノ酸測定の標準化 ① ヒトの身体にはどのくらいのアミノ酸があるのか

人の身体の約20 %を占めるタンパク質は、20種類のアミノ酸で構成されています。 つまり身体の約20 %、水分を除く約半分がアミノ酸です。    人は1日に約70 gのアミノ酸を摂取します。また1日に約180 gのタンパ […]

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(43)シリーズ 「血液中のアミノ酸測定の標準化」の開始にあたって

血液中のアミノ酸濃度は、臨床検査では「アミノ酸分画」といわれます。 先天的アミノ酸代謝異常症の診断、肝機能不全の重症度判定や治療の指標、栄養状態不良の患者の病態把握などに有効で、これらには健康保険が適用されています。  […]

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