2024年3月

分析化学Tips
(38)検査で用いる統計 ⑦カットオフ値とその決め方(後編)

  前回、カットオフ値は、検査の目的やその判定が与えるさまざまな効果・影響を考えて設定されると書きました。  ここでは、ROC曲線からカットオフ値を決める「理論的な方法」を二つ紹介します。  ① 左上隅からの距 […]

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分析化学Tips
(37)検査で用いる統計 ⑦カットオフ値とその決め方(前編)

  カットオフ値とは、病気にかかっている人とそうでない人を判定する境目の検査の値です。 前回も示しましたが、検査値と病気の有無とが図のような分布をとっている場合、どこにカットオフ値を設定するかが大切です。簡単に […]

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コラム
86.先進と先端

  同じような意味の言葉でも、ずいぶんと異なる印象を与えるものがあるという話題です。 先日、横浜ゴム(株)の岸本浩通さんの講演を聞く機会がありました。 同社の分析解析部門の名称を「先進技術・イノベーション研究セ […]

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分析化学Tips
(36)検査で用いる統計 ⑥ROC曲線とAUCの意味(後編)

前編では、ROCもAUCも説明しませんでしたが、図3で説明したとおり、検査値のどこに線を引くかで感度と特異度が変化することは理解していただけたかと思います。   この変化をグラフにすることができます。  〇 横軸に偽陽性 […]

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分析化学Tips
(35)検査で用いる統計 ⑥ROC曲線とAUCの意味(前編)

  検査の有効性に関する論文を読んでいると、図1のようなグラフを見ることがあるでしょう。 (下手くそな図ですみません) 図1では、左側が病気Xでない人の検査結果、右側が病気Xの人の検査結果で、縦軸が検査の値のよ […]

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コラム
85. 裸の大将からヘラルボニーへ

  1月末に友人と諏訪湖1周16キロのハイキングをしました。 諏訪大社下社、翌日は上社まで足をのばし、さらに上社の最寄り駅である茅野駅の近くにある「放浪美術館」を訪れました。(http://www.houro. […]

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分析化学Tips
(34)検査で用いる統計 ⑤用語の整理

  ここまでいくつもの指標が出てきましたので、整理しておきましょう。  感度=A/(A+C)=真陽性率 病気Xの人の中で、検査で陽性になった人の割合。陽性の尤度になります。   特異度=D/(B+D)=真陰性率 […]

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分析化学Tips
(33) 検査で用いる統計 ④陽性尤度比を計算してみる

陽性尤度比は、病気の人が健康な人と比べてどのくらい検査結果が陽性となりやすいかを表していました。当然、感度・特異度が高いほど、陽性尤度比が高くなり、陰性尤度比は低くなります。 では、実際に計算してみましょう。 陽性尤度比 […]

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コラム
84.課題論文の書き方

  1.研究報告の要旨   入社当時、研究報告の要旨は以下を簡潔にまとめなさいと指導されました。 ① テーマの目的 ② 背景と問題点(先行技術) ③ 本研究の課題(この報告書の目的) ④ 実施内容 ⑤ 結果 ⑥ […]

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分析化学Tips
(32) 検査に用いられる統計の基礎知識 ③陽性尤度比

 ここまで、感度と特異度、陽性的中率を説明してきました。陽性的中率は母集団の分布によって変化することも理解していただけたかと思います。 医療統計の教科書では、次に「陽性尤度比」という用語が出てきます。 「尤度」の読み方が […]

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