103.研究の多様性について

 研究所や研究テーマの多様性の重要性について考ようと思います。 

 

 十数年前にもなりますが、採用面接で「味の素(株)の研究所の良いところ(入社してよかったこと、すごいと思ったこと)を教えてください」と学生さんによく質問されましたが、「研究所には、どの分野でも日本の一流と認められている研究者がいて、何かわからないことややりたいことがあれば、その人達に聞けばその場で解決できること」と答えていました。 

事実そのとおりの研究所がありました。 

今の味の素(株)にも優れた人材はいるのでしょうが、さまざまな領域の一流の研究者や専門家が「集まっていた」中央研究所はなくなりました。これは多様性がなくなったということでしょう。同時に基礎(基盤)研究が削られ研究テーマの多様性もなくなりました。私が採用面接で答えた状況はおそらくなくなりつつあるのではないかと危惧しています。 

(ここまで書いてきたら、また「基礎研究」について述べたくなりましたが、それはまた次の機会にします・・・) 

 

 なぜ研究所や研究テーマにも多様性が必要なのでしょうか? 

 研究者は、偏見かもしれませんがだいたい内向き志向です。良くも悪くもプロ意識が高く、違う視点や考え方は「異質」のものと捉えがちで、すぐに反論を考えてしまいます。そのような考え方や環境は強制的に打ち破らなければならず、その一つの手段が多様性のある人たち、専門家を集めることです。基本的に優秀な研究者であればあるほど、科学の進歩とそれによる社会の発展を願っているはずで、それぞれの成功を期待しています。レベルの高い助言=別の視座が常に得られる集合体の中で研究が進められる環境が望ましい姿と考えます。 

 

  また、その状況にあって、研究テーマは出来るだけ多いほうがよいのです。それぞれの成果物が有機的に結びついて大きな成果になるということはめったにありませんが、しかし、全くないわけではありません。小さな成功(成果)なら、いくつも生まれるはずです。その中には大化けするものがあり、それがイノベーションの核となるはずです。 

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