150.創造的な議論が苦手の人は多い
田原総一朗氏がテレビで話している姿には好感が持てないのですが、彼の著述は好きでよく読んでいます。
近著に対談集「東大生は本当に優秀なのか-「正解のある教育」ではなく「答えのない創造力」へ」(毎日文庫)があります。
彼は日本の教育にも関心をもっていて、そのきっかけは宮澤喜一元総理の「日本の政治家はG7サミットに出ても発言できない。それは英語が出来ないという問題ではなく、教育が悪い」という話に端を発していると述べています。本書は「優秀なはずの日本人が、国際舞台で創造的な議論を苦手とするのはなぜか」について、教育問題に詳しい(?)10人と個別に討論したものです。
タイトルの「東大生」という括りはあまりにもキャッチ―で正しくないと思いますし、宮澤喜一氏の発言は、それは教育の問題もあるかもしれないけど日本の政治家の資質だろうとも思うのですが、日本教育が「正解のある問題」を出来るだけ早く回答する訓練のみをしてきたことについては、大いに同感するところです。
まあ、拙コラム「30.正解はたくさんある」と表現の仕方は違いますが、対談されたみなさんも田原氏に誘導されたとはいえ、要するに私と同じことを言っているなというのが感想です。
「正解のない問題に対処できない」とか「創造的な議論が苦手」という人は山ほど見てきました。
批判、批評は得意で、またその言い回しも絶妙な人はたくさんいますが、「それならどうするのか」という思考の非常に浅い人や出来ない人に社内外で多く出会いました。(お前が言うなと言われそうですが)いわゆる「お勉強は出来たかもしれないけど」というタイプです。
いや、別に今の政権の話をしているわけではありません。
陰で、批判をするのは簡単だし、楽です。
批判、批評するなら堂々とやりましょう。
同時に代わりとなる意見を出してアクションをとりましょう。