155. 若いうちは何度も落ち込んでたくさん悩んだほうがいい

 ホテルのレストランの昼食バイキングコース、30~50代の女性であふれかえっています。1人でお食事の方はいなくて、数人以上のグループでの会食、四方八方から聞こえる会話は途切れることなく、その場に居合わせた私からすれば喧噪以外のなにものでもありません。 

 居酒屋のランチタイムでは、おじいさんたちのいわゆる昼飲み会が各テーブルで設定されています。その声は時間と共に大きくなっていくのが特徴です。 

いずれも客にとってはお手頃価格ですし、店側も従業員がそれほど必要というわけではないので、収益性も悪くなさそうです。 

 お昼時に外出したついでに一人でお蕎麦屋さんに寄ると、隣の席に私より年長のおじいさんが2人、お酒を飲み、顔を真っ赤にして「トランプが横暴とか言っているけど、日本の政治家がしっかりしていれば・・・」などと激論を始めます。昔からお蕎麦屋さんの昼の定番といえば、「板わさとニシンの甘露煮をつまみに日本酒、〆は蕎麦」だったと気づいても後の祭りです。蕎麦湯もそこそこ、レジに向かいます・・・ 

 

 いわゆる定年になり、昼の活動時間に余裕が出来ると、その人たちの集まりは「夜」から「昼間」にシフトします。昼飲み会、蕎麦屋のおじいさんたちの世代に私も入会しました。 

毎回、異口同音に、現在の社会を嘆き、思い出話に花を咲かせます。 

  ○○さんによく怒鳴られた、イジメられた、いまならきっとパワハラだ。しかし、それがいい経験だった。 若い人は失敗を恐れすぎている。すぐに結果が出ないと簡単に落ち込む。 

 

 私も失敗を恐れていました。うまくいかないとひどく落ち込みました。超ホワイト企業にいたと思うけれど、怒鳴られたこと、呆れられたことも何度もありました。悔しくて、今度は見返してやろうとかあいつ(上司)にまいったと言わせようという気持ちで、何日も四六時中、考え、悩み続けていました。 

 確かに、考え、悩み続けて、その結果それをどう克服したかの体験が、今となっては記憶に残っています。歳と共に自分の中で「プロジェクトX」的に脚色をしているのかもしれませんが、人や周りを見返してやるということをエネルギーにして成長していった感触は、この世代の共通項のようです。 

 

 落ち込みすぎるのは困りますが、失敗や怒鳴られることに慣れてしまってはいけません。
「悩むだけ悩んだほうがいい」というのが、あの時の自分にかけてあげたい言葉です。 

 

因みに、立場が変わって、怒った(叱った)こともあるはずですが、ほとんど覚えていません。怒った側はそんなものです。ご参考まで。

Follow me!