(25)いまさら聞けない「絶対検量線法、内標準法、標準添加法」
今回は、HPLC法の定量法について紹介します。
HPLC法での定量には、絶対検量線法、内標準法、標準添加法が用いられます。
それぞれの方法について、簡単に説明をしますが、正しい表現が必要な場合は、JISを参考にしてください。
〇絶対検量線法:
測定したい成分の標準試料だけで検量線を作成して、試料中の濃度を求める方法
〇内標準法:
測定したい成分の標準試料に一定濃度の内標準物質を加え、成分ピークの面積と内標準物質のピーク面積との比を縦軸とする検量線を作成して、試料中の濃度を求める方法
なお、内部標準物質、内部標準法という用語が通用していますが、現在、JISなどでは、内標準物質、内標準法に統一されています。
〇標準添加法:
一定量の試料溶液に測定したい成分の標準液を段階的に加えて、得られた直線をx軸まで外挿して、未知試料中の濃度を求める方法
内標準法と標準添加法は、文章にすると分かりにくいですよね。
島津製作所のHPによい図がありましたので、引用します。
上:標準試料:目的成分 100 ppm、内標準物質 100 ppm
下:未知試料:目的成分 不明、 内標準物質 100 ppm
未知試料中の成分濃度=100ppm(未知試料中の内標準物質濃度)×0.7/1.2=58 ppm
未知試料中の成分濃度の濃度は横軸(添加量)との交点の絶対値で表され、 成分の濃度は50ppmとなります。
参考文献 :
JIS K 0214:2013 分析化学用語(クロマトグラフィー部門),p.24, p.35,日本規格協会(2013).
引用文献 :
島津製作所HP
https://www.an.shimadzu.co.jp/service-support/technical-support/analysis-basics/gc/fundamentals/quantitative-method/index.html#gc_2_4_4