(54)シリーズ 血液中のアミノ酸測定の標準化 ⑪ 内標準には13C, 15Nのラベル体を使う

除タンパク操作のポイントと手順を前回紹介しましたが、ここではプレカラム誘導体化LC/MSによるアミノ酸分析に用いる内標準液について解説します。

正確な定量を行うために、内標準は欠かせません。可能なかぎり、早い段階で添加します。
プレカラム誘導体化LC/MSでは、測定対象となるアミノ酸すべてに、そのアミノ酸を安定同位体で標識したアミノ酸(サロゲート:surrogate)を内標準物質として、「除タンパクをする前」の血漿に添加します。
下記の表に内標準リストを示しました。入手困難或いは合成困難か非常に高価なものを除いて、全て炭素(13C)と窒素(15N)で3つ以上置換されたアミノ酸を内標準としています。

サロゲートは定量したい成分とほぼ同じ物理化学的性質なので、前処理において測定成分と同じ挙動を示します。特に炭素(13C)と窒素(15N)ラベル体では、LC/MSの溶出時間が非標識アミノ酸と完全に一致しますので、マトリックス効果の影響を確実に補正することが出来ます。

水素(2H)ラベル体をサロゲートとすることも可能ですが、非標識体と保持時間がズレてしまうことがあり、正確な補正が出来ない場合があります。
APDSを試薬とするプレカラム誘導体化LC/MS用に調製された内標準「混合液」富士フイルム和光純薬(株)から購入することが出来ます(図)。

List of Ingredients of  internal standard solution internal standard solution

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