111. 根拠のない自信は迷惑をかけてしまう

 このコラムでも何度か触れたような気がしますが、この8月で65歳、高齢者の仲間入りをしました。
年金事務所から、これにチェックを入れて返信しないと年金支給しないとか、川崎市からは高齢者肺炎球菌の予防接種の補助の案内とか、高齢者を意識せざるを得ない配送物が次から次へと届きます。
 

高齢者になってひと月も経たない先週、私はコロナに感染してしまいました。

 

 発熱外来に行くと、「コロナであってもなくても処方する薬は一緒です。
あなたは重症化リスクが高い
65歳以上の方ですから、コロナ治療薬の処方も可能ですね(がどうしましょうか)」と、またもや(当然ですが)高齢者扱いされました。

 あまり積極的にコロナ検査を推奨していないようでもありましたが、私はこの週に学会で発表する予定があったので、検査をしてもらい、それでコロナと判明したわけです。

因みに、診療室の壁にはコロナ治療薬3種類の名前と1割2割3割でそれぞれ自己負担した場合の金額(高額でびっくり)が表になっていました。今のあなたの状況なら勧めませんと言われ、結果、解熱剤と感染症と痰切りの薬を処方してもらって、帰りに食料を買い込んで、家に戻りました。 

 

 慌てて学会に連絡して、コロナだから出席できない、Zoomにもつなぐとあったので、それを使った発表にしたい旨伝えました。学会の実行委員長や事務局の先生には大変ご迷惑をおかけしましたが、何とか無事に発表することができました。

コロナ禍を経験してZoom等が一般化していなければ、私はプログラムに穴を開けるところでした。本当に関係者のみなさまには感謝です。 

 

 私のこれまでのコロナに感染したことがありませんでしたし、予防のポイントが分かっているつもりで、これからも罹患することはないだろうという自信がありました。実は自分は帯状疱疹にもならないのではないか、と密かに信じていたのですが、今年初めに罹ってしましました。 

 免疫力が低下してきている高齢者である自分を実感せざるを得ないことが続けてあり、体力だけでなく、気持ちもかなり落ち込んでいます。高齢者の根拠のない自信はあぶない、という見本です。 

 

体力を回復させるだけでなく、もっと謙虚に慎重に生きなければ、と思います。 

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