115.「上から目線」でシミュレーションする
以前のコラムで、一つ上の立場で考えてみることが会社や組織では大切だという話をしたことがあります。
あなたが課長であれば、自分が部長の立場でということです。「上から目線」で状況を鳥瞰して大局的に把握する、考える、そしてその上で自分がなすべきことを行うということです。もちろん、ちょっと上でなく、社長ならどうするかという目線でもかまいません。一朝一夕にそのような考え方が出来るわけではありません。そう考える訓練をし続けていることが必要です。また、そのような訓練をしていた人が組織の長になるべきでしょう。
一方、好ましくないのは、自分を仮想上位者としてではなく、第三者の目線で現状や人の行動を解説したり批判したりする人です。一見、もっともらしい意見を言っている、よく物事がわかっている人のように見えますが、リーダーとしてどう行動するかという視点とそのシミュレーションがない人だと思います。また、えてして統率を乱す人たちでもあります。そういう人に組織を率いさせてはいけません。
当然ながら、組織の長は、方針と明確なビジョンを示せること、一貫してそれに沿った判断・行動が出来る人でなければ話になりません。
政治の世界は会社と異なるとは思いますが、例えば総理大臣を目指す人は、事象ごとに自分が今首相であれば、どう対処するかを常に考えていなければならないような気がしています。
さて、新首相は、どのようなタイプでしょうか?
余談ですが、定年後に何をするかについてシミュレーションとあらかじめ物心共にしっかりと準備しておくべき(だった)と感じています。
もっとも、会社や社会でも同じで、しっかりと準備をしていても思うようには行くとは限りませんが、年齢と共に、これまでの経験や想定以上に、体力、気力、物事への興味・関心が加速度的に衰えます。それを計算に入れておかなければなりません。
爺臭い話ですが、読者に50歳を超えた方がいらしたら、忠告まで。