13.鬱、私の場合
私はまさか自分が鬱になるとは思っていませんでした。
十数年前、人に勧められて心療内科を受診しました。先生に自分の症状を話したところ、「以前も鬱だったことがあるの」とストレートに聞かれ、自分の置かれた状態が鬱の範疇に入るのだと初めて知りました。
私の場合、顕著な症状が2つありました。
床についても、とても眠りの浅い状態、具体的には寝ていないようなこころもちで夢とも現とも区別つかない、後味の悪い夢を見続け、30分ほどで目が覚めてしまい、そのあと目が冴えて本格的に眠れなくなる、という夜が、当初週に1度ほどだったのが、ほとんど毎晩になっていきました。
また、目の前に食事があれば食べられるのですが、自分から進んで食べることが出来なくなりました。例えば、出張で昼食を外でとるようなとき、店に入る気持ちになれず、一食抜いてもいいと思い、それから食事をとらないことが繰り返されました。
なぜ、このようになったのか、心当たりは全くありませんでした。私は、もっと深刻な状態を鬱と思っていました。おかしいなと気づき始め、鬱を経験した人に相談したところ、「まさにそれが鬱です」と断言されました。
私の症状は軽いものなのでしょうが、いまだに断続的に治療をしています。
ちょっとした変調を、これは一時的なものだとか、自分は大丈夫と思い込んでいる人が多いと思います。しかし、私はあのとき心療内科を受診していなかったら、今どうなっていたかと思います。
私の例が参考になるかどうかはわかりませんが、いつもと違うなと感じたら、専門医に相談することをお勧めします。