(18)いまさら聞けない「シンメトリー係数」
シンメトリー係数S(symmetry factor) は、クロマトグラム上のピークの対称性の度合いを示す係数で、式1によって求められます。
-(1)
ここで、W0.05hは、ピークのベースラインからピーク高さの1/20の高さにおけるピーク幅であり、fは、W0.05hのピーク幅をピーク頂点から横軸へ下した垂線で二分したピーク立ち上がり側の距離です。
もちろん、W0. 05h,f は同じ単位を用いなければなりません。
一般に「テーリング」しているとか「リーディング」しているという言葉をよく使います。テーリングとは、「ピーク後部が裾を引いている現象」のことで、リーディングは、この逆の現象を示しています。シンメトリー係数から、そのピークがリーディングしているかテーリングしているかが分かります。
S > 1 : テーリングピーク
S = 1 : ガウス分布ピーク(左右対称)
S < 1 : リーディングピーク
ピークの対称性は、定量性に影響を与える一つの重要なファクターで、システム適合性の評価項目の一つに加えられます。