60.「働きすぎ」といわれたら
先日、「がんばりすぎないでね」というコラムを書きましたが、その続編です。
パワハラ的に、「もっと働け」と言われている人もいるかもしれませんが、現実には「働きすぎている」人が多いように思います。
「働きすぎ」とは、他の人が見たとき、その人がやるべき仕事の量が度を越していて、それをこなそうと無理をしているように見える状態です。
「働きすぎ」は本人が意識している仕事の質や満足感や達成感とは関係ありません。ですから、多くの働きすぎている人は、主観的に自分の仕事は完成していないし、そんなに働いていないと思うことが多いのです。働きすぎている人は、「まだまだ自分は足りない」とか「他の人はもっと働いている」としばしば口走ります。
自身の感覚と客観的な印象とには大きなギャップがあるのです。
私自身、40代後半は、周りから見ると働きすぎていたようです。本人は全くその意識はありませんでしたし、いいリズムだと思っていました。
7時前に会社に行き、平日の夜はほぼ外食でした。会議や出張で分刻みとはまではいいませんが、10分の空き時間がいわゆる自分の仕事を片す時間でした。しかし、以前工場に勤務していた頃は、トイレに行く時間もないほど時間に追われてしたので、それに比べれば大したことはないと思っていました。
結果的に睡眠障害に陥り、軽い鬱になりました。
忙しい自分に酔っていて、酩酊して心身に何らかの異常をきたすまで気がつかないものです。
もちろん、世の中には働きすぎているように見えて、全く問題のない人もいます。長年人間を観察していると、個人個人のキャパシティーと言うものがなんとなくわかりますが、それが大きい人は大丈夫です。でも、そういう人はごくごく稀です。たぶん、これを読んでくださっている方の大部分は、普通の人です。
もし、「あなた、働きすぎだよ」と言われたら、「無理をして」物理的に休んでください。