64.注意するときは相手が理解できる言葉で

今回も父親の思い出の言葉の話から始めます。

  朝、洗面を終わった父とすれ違ったときに「お前の髭剃りはよく切れそうだな」と言われました。髭を剃り始めた頃ですから、高校生の頃か、大学生の頃か、その頃のことです。 

 髭のない私の顔を見て言ったのか?私のシェーバーのメーカーを教えてほしいのか?まさかなぁ??と意味が分からず、しかしどうしてそう言ったのかを聞き返すようなこともしませんでした。

たぶん2~3か月、かなり時間がたったある日の朝です。

私がいつものように髭を剃り、歯を磨いて、なにげなく洗面台を見ました。そうすると私の剃った細かい髭が洗面台に散らばっているではありませんか!

そのとき、父の言葉を思い出し、その意図するところがわかりました。
あれは、お前の髭が洗面台に落ちているからちゃんと掃除しろという意味だったのかと。

 私は鈍い、という証明かもしれませんが、しばらくして(会社に入って部下をもって?!)あの時のことを思いだして、これが一つの教訓となりました。

 

 注意するときは相手が分かるように注意しないと効果がない。

 ついつい、配慮したつもりで、遠回しに注意することがあります。その言い方で分かる人と分からない人がいるのです。どんなに言葉を選んでも、相手に伝わらなければ意味がありませんよね。
当時の私は、父親が思っているほどの頭の回転はよくなかったということです。

 

 私が彼の真意に気付くまでの数か月、父親は注意の分からない息子を心の中で怒っていたのか、がっかりしていたのか、今となってはわかりません。 

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