154. 自分がご都合主義だと感じる時

ちょうど3年前にこのコラムがスタートしました。 

記念すべき最初のコラムのタイトルは「企業の分析化学、国力としての分析化学」
「国力」と天下国家を考えている体(テイ)で上から目線の文章でしたが、選挙となると今の自分の生活目線になります。 

 

 私が若い頃は自民、社会、公明、民主、共産の5つの政党しかありませんでしたので、それぞれの主張をしっかりと聞くことが出来ましたし、聞かなくても各党はっきり差別化されていました。現在は数が分からないほど多党化し、一つの番組やニュースでそれぞれの政党の主張を十分聞くことが難しくなりました。そうなると自然に切り抜かれた心地よい響きの主張だけが情報として入るようになります。好ましい状況とは言えませんね。 

 

 さて、その情報によると、今回の参議院議員選挙は物価高対策が焦点で、心地よい響きのキーワードとして減税、一時給付金の支給が取り上げられています。選挙の争点はたくさんあるはずなのですが、政党やマスコミは私たちに二択?を迫っているように思います。 

 

 一時的な物価高対策として消費税減税というロジックが正しいのでしょうか。現在の税収の約1/3を占める国の安定的な収入源を減らすことには問題があると感じています。

 

 しかし、私がサラリーマンとして収入のあった時であれば減税に賛成でした。子供が小さい時であれば子育て支援給付の政策も気に入っていたでしょう。 65歳を越えた現在では、所得減税(この選挙ではスコープの外のようですが)や消費税減税にあまり魅力を感じていません。むしろ社会保障レベルを下げないでほしいとか一時給付金のほうがよいかなあとか思います。 

 

その理由は単純です。
私が収入も少なく、年金をもらうようになり、食事の量もずいぶんと減ったからです。 

 

いい歳になって主義主張はないのか?とお叱りを受けそうですが、いい年齢になったからこそ自分の生活が大切になります。

一時給付金よりも年金を物価上昇分くらいは引き上げろというのが、高齢者つまり総人口の約3割のホンネでしょうが、そういう政党や候補者は見当たりません。 

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