160.夏の読書感想2題

 先々週、先週と映画鑑賞、イマーシブ展覧会鑑賞の感想を書いてきました。夏休みの日記のよう・・・。今週は夏休みの定番、読書感想文を2つ。どちらもお薦めの新書です。 

 

「世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジ」齋藤ジン(文春新書)
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784166614783 

齋藤氏は米国在住の投資コンサルタントで、グローバルな機関投資家に対して各国政府の経済政策の分析を元にコンサルティングを提供しています。 

 

冷戦後の世界秩序を支えてきた「新自由主義」が崩壊し、小さな政府から大きな政府に回帰している現状を、20世紀初頭からの歴史と共に明瞭に解析し、さらに将来を予言しています。昨年12月に出版されたもので、その時の将来、「現在」起きていることが予言通りで、その理由も解説されています。「目からうろこ」です。 

 

「天気予報はなぜ当たるようになったのか」長谷川直之(インターナショナル新書)
天気予報はなぜ当たるようになったのか | 集英社インターナショナル 公式サイト 

2023年1月まで気象庁長官だった方の著書です。 

 

 天気予報はある「目的」のための「手段」であること、その目的とは、自然災害の危険性を具体的に伝え、自治体と個人に身を守る適切な行動を促すことであることがよくわかります。 

その目的達成のためにはもちろん「天気予報」の精度を上げ続ける必要があります。 また危険性の表現が、甚大な被害を与えた台風や大雨の教訓を元に見直され続けているそうです。 

たしかに以前は避難指示と避難勧告があり、どちらがより危険なのかわかりにくい印象でしたが、避難勧告がなくなりました。最高警戒レベルは、数十年に一度の大雨が予想される場合で、そのときの住民の行動基準が「命の危険 直ちに安全確保!」です。このフレーズと共に最近「自らの命を自ら守る」ことがさかんに言われますが、数十年に一度の豪雨が至るところで発生していることになります。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/alertlevel.html 

 

 

 他にも土砂災害や河川の洪水などの危険度分布データ、リアルタイムで説明しているニュースを観たことがありますが、これは「キキクル」という名称で一般公開されていることも初めて知りました。
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/bosai/riskmap.html 

 

 

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