78. いまさら聞けない「シャルルの法則」と「ボイルの法則」

今回は、「シャルルの法則」と「ボイルの法則」について、おさらいしたいと思います。

 

「シャルルの法則(Charles’s law)」とは「圧力が一定の時,理想気体の体積は絶対温度に比例する」という熱力学の基本法則です。

絶対温度(T )と気体の体積(V )の間に、式1の関係性が成り立ちます。

    V/T = 一定        (1)

この法則は、1787年にフランスのシャルルが発見しましたが、1802年にゲイ・リュサックが法則として確立したので、ゲイ・リュサックの法則ともよばれます。

簡単に書けば、温度が上がると体積も上がり、温度が下がると体積も下がるということです。その温度の単位が摂氏(℃)ではなく絶対温度(K)という点には注意が必要です。

袋に入れたパンを電子レンジで温めたときに袋が膨らんだり、鍋に蓋をして加熱した時に蓋が持ち上がったりしますが、これらの現象はこの法則で説明することができます。

 

 

「ボイルの法則(Boyle’s law)」とは、「一定温度における一定量の気体の体積が圧力(p)に反比例する」というこちらも熱力学の基本法則で、この関係性を式2で表すことが出来ます。

    pV = 一定         (2)

この法則は、1662年にロバート・ボイルにより示されたものです。

簡単に書けば、体積が小さくなると圧力が上がり、体積が大きくなると圧力が下がるという関係です。シリンダーに空気を閉じ込めて、ピストンで押すと空気の体積が小さくなりますが、内部の圧力が上がっていることを手で感じるという現象を、みなさん経験したことがあると思います。

 

この二つの法則を組み合わせた「ボイル-シャルルの法則(Boyle-Charles’s law)」が広く知られています。

つまり「理想気体において,一定量の気体の体積は圧力に反比例し温度に比例する」ことであり、nモルの気体について式3の関係が成り立ちます。

     pV = nRT         (3)

Rは気体定数で、気体の種類にかかわりなくR=8.314J/K・molです。

 

Follow me!