158.「国宝」を観てきました

  5月には既に猛暑だったように記憶していますが、先週(8月3日~)は特段に暑い日が続きました。 

 毎年のように「異常気象」と報道されていますが、気象予報士の森田正光さんの言を借りれば、異常気象が3年も続けば「気候変動」となるのだそうで、私たちは今その真っ只中にいるようです。変動の先にあるもの、それはこの気候が「普通」になるということでしょうか・・・ 

 出歩くのは危険という本能が働くのか、冬眠ならぬ夏眠、ひきこもり状態で、おかげで毎日読書三昧の生活をしています。 

 

吉田修一さんの「国宝」も読みました。 

 ご存じのとおり、評判の映画「国宝」の原作です。 

 歌舞伎界を舞台に、女形として天賦の才を持つ任侠一家の息子喜久雄が、故あって大阪の名門歌舞伎役者の家にひきとられ、そこの御曹司俊介との友情と共に、さまざまな苦難を経て芸道を究めていく一生を描いた物語です。 

 映画にも早くから興味はありました。しかし、私がイケメンを好きでない(大多数の男の敵だ・・・)というゆがんだ(?)考えの持ち主で、2人のイケメンを3時間見続けるのは・・・など愚にもならない理由で逡巡しているうちに8月になってしまいました。友人の絶賛のメールに背を押され、猛暑の中、ついに劇場に足を運びました。 

 

 冒頭は小説がほぼ忠実に再現されていました。しかし、その後、小説中の複雑な人間関係は大胆にカット、喜久雄と俊介との関係性にほぼ焦点が絞られ、その折々の状況や二人の心情とが歌舞伎の演目と見事に重なり、また評判の歌舞伎の場面は実に美しくもあり生々しくもあり、その演出と映像美に引き込まれていきました。非常にクオリティの高い映画で、とてもよかったです。 

 設定や展開は基本的には原作に忠実でしたが、不思議なのは、読者として知っていたストーリーと映画の世界観が全く別物であったということです。感覚としては、二次元で知っていたものが三次元になって圧倒的な迫力と美しさで私の前にあらわれた、そんな印象でした。 

 

 もちろん吉沢亮さん、横浜流星さん、二人のイケメンの演技も素晴らしい、見惚れました。若くして大河ドラマの主役を張るだけのことはありますね。 

 

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