31.研究を提案するときの注意事項
研究開発とかR&Dという言葉がありますが、「研究」と「開発」は別物です。「開発」は、事業と密接に結びついています。例えば、夏向けの商品の「開発」が間に合わないから秋に延ばしてくださいということは許されません。開発はトップダウンです。
「研究」とは、感覚的ですが、0を1に、0.1を1にするステージ(ゴールは100)のものです。テーマ提案から始まり、途中でドロップするものが多いけれど、いくつかのテーマが「開発」ステージに進階していきます。
ここでは、新しく「研究」テーマを提案して認めてもらうためのポイントをいくつか紹介したいと思います。
まず、研究提案をしたときに、経営陣がすぐに理解して褒めたら見込みがありません。研究のレベルが低い証拠です。新しいテーマを考え直しましょう。ましてや、経営陣がおもしろいからやれと、トップダウンで指示するようなテーマはオリジナリティがなく、先行他社が山ほどあり、うまくいったとしても所謂レッドオーシャンに放り込まれます。適当にあしらって、他のことを考えましょう。
しかし、テーマを認めてもらってカネを出してもらう必要があります。
ですから、経営陣が興味を持つような尤もらしいストーリーを用意しましょう。
テーマ提案では、自分が考えている研究期間の半分以下、ビジネスになったときの規模感は一桁以上大きく、提示しましょう。まず、認めてもらうことが大切で、始めてしまえばこっちのものです。
いかにも経営を騙せと言わんばかりの書き方ですが、経営もバカではありません。
研究というものに理解があれば、うまく騙されたふりをしてくれます。