36.私が尊敬するリーダー
「ここは私が行ったら決まりそうだな」
「これでトライしてみて、うまくいかなかったら、また私に言ってきてくれ。」
こんな上司はいませんか?
一見、頼りがいがあるようですが、実はいてもいなくてもいい上司だと思います。
前者は部下がお膳立てして、それに乗っかるだけの上司。
上司が出ていかなくても、その案件はたいていうまくいきます。
後者は、困った部下が相談にいった時、ロジカルなアドバイスはしますが、
面倒は部下に押しつけるタイプです。
その後、うまくいかなくてその上司に相談しに行っても、
「そこまで進んだなら、こうしたらどうだろう」と新たな指図をして、
自分に面倒な出番がないようにする責任回避型です。
以下は、マネージメント、むしろリーダーシップの手本と私が尊敬している方の話です。
(残念ながら私がいた会社の方ではありません。)
懸案があって、議論も紛糾していい打開策が見出せないとき、その方はこう聞いてくるのです。
「よくわからないけど、私がなにをすればいいか言ってちょうだい。」
当然?!
部下はその上司に一番面倒なことを押し付けようとします。
「○○先生を説得してください」
「○○の費用が捻出できません。」
「わかった。それをすれば、あとは任せて大丈夫なのね」
こう言われてしまうと、一番面倒なことをお願いしてしまった手前、
「それが解決すれば、あとは私たちで出来ます。」と答えざるをえません。
面倒なことを引き受けることは、
その方にとっても大変なストレスで会ったには違いないのですが、
それによって部下が動きやすい環境を作ることができます。
もちろん、その方が「よくわかっていない」わけではありません。
それぞれがすべきことを明確にして、しかもそれを部下自ら発言させることで、
部下に責任感をもたせたとも言えるでしょう。
こういうリーダー、すばらしいと思いませんか。