97. 学校の勉強で学ぶべきことは
小学から高校の勉強は、ざっくりと言ってしまえば、生活に必要なことを「正しく理解する」基礎知識、言い換えれば「情報の理解力」を身につけることだと考えています。そのために国語では読解力を学ぶ(つける)ことが最も大切ですし、数学(算数)、理科、社会などで学ぶ常識(からやや専門)的な知識も大切です。
ただし、それらの基礎知識の種類・内容は時代と共に変わっていると思います。
例えば、確率、統計ですが、現在はいつ教わっているのでしょうか?
私の学んだ頃、これらの授業は3学期の終わりにありました。
学年末にギリギリ間に合うか(間に合わない?!)タイミング。教科書の最後にあるので仕方がないのですが、順列と組み合わせしか教えてもらわなかった気がします。
しかし、現代社会において、統計や確率は、微分や積分、三角関数よりもはるかに重要な「基礎知識」だと思います。
膨大な情報やデータが収集され、それらが統計や確率に基づいて解析された結果で多くのことが説明されています。コロナ禍では、医療統計の専門家が、統計的な考えに基づいて推計をしていたのですが、残念ながらそれを理解できない人たちが不安をあおり、社会に不要な混乱を起こしていたことを記憶に新しいところです。
統計には必ず「分布」があります。コロナの問題に限らず、政策の大枠は統計解析の結果から示されるマジョリティに対する施策です。(もちろん分布の端にいる人たちへのフォローは必要です。)
統計解析には、「前提」や「仮説」があり...などと書けばきりがないのですが、言いたいことは、現在や将来の社会に必要な重要度の高いものからしっかりと時間をかけて教育してもらいたいということです。
別に、微分も積分の勉強が不要だとはいうわけではありません。
しかし、私たち(の時代)は問題を解く勉強をさせられてきました。社会のどのような場面で微分積分の考え方や計算が必要になるのかを説明してもらえていれば、化学や物理に興味がもてる人がもう少し増えるかもしれません。