(33) 検査で用いる統計 ④陽性尤度比を計算してみる

陽性尤度比は、病気の人が健康な人と比べてどのくらい検査結果が陽性となりやすいかを表していました。当然、感度・特異度が高いほど、陽性尤度比が高くなり、陰性尤度比は低くなります。

では、実際に計算してみましょう。

table_33

陽性尤度比=(感度)/(1-特異度)=0.98/(1-0.95)=19.6
陰性尤度比=(1-感度)/(特異度)=(1-0.98)/0.95=0.02

陽性尤度比は真陽性率と偽陽性率の比、「検査結果が陽性の人の中で、実際に病気Xの人がそうでない人に比べて、どのくらい陽性になりやすいか」を示しています。この例では、この検査で、病気の人はそうでない人に比べて約20倍陽性になりやすいことになります。

また、陰性尤度比は偽陰性率と真陰性率の比、「検査結果が陰性の人の中で、実際に病気Xの人がそうでない人に比べて、どのくらい陰性になりやすいか」を示しています。

つまり、病気の人が検査を受けたのに陰性となり病気が見逃されてしまう可能性の高さ(低さ)を、健康な人が陰性となった割合と比べることになります。この例にある検査では、病気Xの人の見逃し(見落とし)がほとんどないことが、尤度比からも分かります。

Calculate the likelihood ratio

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