84.課題論文の書き方

 

1.研究報告の要旨 

 入社当時、研究報告の要旨は以下を簡潔にまとめなさいと指導されました。
① テーマの目的
② 背景と問題点(先行技術)
③ 本研究の課題(この報告書の目的)
④ 実施内容
⑤ 結果
⑥ 結論
⑦ 考察と次の展開 

様式も決まっていて、A4で1枚かつその4分の3程度の分量でまとめなければなりません。いまどき、「A4で1枚」という言葉は死語のようなものですが、これらが研究レポートに必要不可欠であることは時代が進んでも変わりないと思います。図や表を使わずに文章だけでこれらを簡潔に示すことが出来れば、それは優れた研究であり、優れた報告書です。 

 

 2.昇格試験の課題論文 

 文章の基本は起承転結といわれます。このコラムの構成についてはノーコメントですが・・・ 。会社で、いろいろな作文を添削させられました(もちろん、添削もしていただいた)が、昇格試験の課題論文の指導は大変でした。 

 現在どうなっているかは知る由もありませんが、私のいた会社では、昇格試験の一つとして、一つの会場に集められ、その場で与えられた課題について1,000字以内の論文を書くというものがありました。課題の設問文は、毎年変わりますが、聞かれていることは基本的には同じです。 

「社会や会社の状況の中で○○を実現(解決)するために課題を一つ設定して、それに対して上位等級となったあなたはどのように行動するか」
設問で問われていること全てに的確に答えなければなりません。ここで問われていることは4点です。 

① 社会や会社の現状分析
② 課題設定
③ 自分の行動
④ その結果、会社や組織はどう発展するか、 

まさに、②、③、④結ですよね。これに最初から気がつけば大したものです。 

 さて、事前に論文の課題が分かっていますので、昇格対象者は論文の下書きをして暗記しておきます。その下書きは直属の上司が事前に目を通して、添削(指導)します。 当時、私はほとんどのケースで、残念ながら、この起承転結のお作法の指導からしなければなりませんでした。また、現状分析が半分を占めるような構成がアンバランスなものも多くありました。これらを教えて書き直させてやっと添削するレベルになります。 

内容で重要な点は1つだけです。昇格試験ですから「上位等級でなければ出来ないこと」を書くことです。「今のポジションでも、それは出来るでしょ?なぜそれをやらないの?」という論文はバツです。一つ上の目線で常に社会や会社を見る訓練をしておく必要がありますよね。 

 

 余談ですが、その後、論文を審査する立場になってわかったことがあります。この論文は、上司の試験でもあるのだなと。論文が不出来だと、直属上司の指導力が問われます。 

上司の方、油断召されるな。 

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