(57)シリーズ 血液中のアミノ酸測定の標準化 ⑭ 血漿アミノ酸濃度には男女差や年齢で変化するものがある

前回、血漿遊離アミノ酸の基準濃度範囲(正常範囲)を示しました。

説明を省きましたが、除外基準とは①問診、検査値からの除外(慢性疾患、薬物治療)、②アミノ酸濃度の外れ値(異常値;4 x SD以上)からの除外になります。さらにそれぞれのアミノ酸の濃度について、外れ値試料を除外したのちに2.5 %点を下限値、97.5 %点を上限値として血漿中アミノ酸濃度の基準範囲を設定しています。

図1は前回の表をグラフにしたものとなります。
各バーは2.5% ~ 97.5%点の範囲を示しています。ざっくり言えば、上・下限の幅2~3倍程度で、血漿遊離アミノ酸濃度は狭い範囲にコントロールされていることがわかります。

Reference concentration range of plasma free amino acids (normal range)

図1 血漿遊離アミノ酸の基準濃度範囲(正常範囲)

血漿アミノ酸濃度が、背景因子(性別,年齢,体格指数(BMI))にどのような影響を受けているのかを、枝分かれ分散分析により解析した結果を最後に紹介しましょう。
多くのアミノ酸は性別の影響が有意(図2)で、その影響は年齢やBMIよりも大きいと考えられました。
また、シトルリン(Cit)、グルタミン(Gln)、オルニチン(Orn)とリジン(Lys)の濃度は年齢の影響が、さらにグルタミン酸の濃度は、BMIの影響が有意であることもわかっています(図3)。

Amino acids with large gender differences

図2 男女差の大きいアミノ酸

Amino acids change with age

図3 年齢によって変化するアミノ酸

 

 

 

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