89.春らんまん

 一昔前の入学式の定番は満開の桜の下での記念写真でしたが、最近は卒業式の頃には桜が咲いていることが普通となっていました。
今年は桜の開花が全国的に遅れて、入学式=桜という光景が復活したようです。

 

桜の代表格である「ソメイヨシノ」は、そのほとんどがクローン、つまり全く同じ遺伝子をもっているそうです。だから同じ場所にある樹でほぼ同時に花が咲くことになります。ソメイヨシノが一斉に咲き乱れ、明るい春の季節を感じさせてくれる理由の一つは、このような遺伝的な背景があるようです。 

 

ところで、桜はバラ科だと皆さん、ご存じでしたか? 

薔薇はヨーロッパ、桜は日本というイメージが私にはありましたが、日本原産のバラがあり、万葉集にも登場しているそうです。 

また、バラ科に共通した特徴が日本植物生理学会のWEBサイトで紹介されています。 

「花は両性で放射相称、がく裂片と花弁が各5枚、おしべは多数、多くはめしべも多数、という点があげられます。また、花弁が花の他の器官に比べ目立ち、萼片の基部が筒状になるという点も共通しています。バラ科は花の特徴が共通するものを集めたグループと言えます。」(https://jspp.org/hiroba/q_and_a/detail.html?id=4746&key=&target= 

 

サクラの名所は日本いたる所にありますが、私の家の近くでは、稲城市内の多摩川のサイクリングロードやその支流の三沢川両岸にきれいな桜並木があり、よく整備もされていて、そこを散策するのが春の楽しみの一つです。 

cherry blossom of Misawa reiver

多摩川の下流の川崎市側の河川敷には数キロにわたって「ユキヤナギ・ロード」があります。 

ユキヤナギは花が咲いていなければ、ただの低雑木(失礼)なのですが、春になると一斉真っ白な小さな花が、株を覆うようにすきまなくびっしりとつきます。春を感じさせる花の一つです。 

和名の由来は、ヤナギのようにしだれる枝に白い小さな花が咲き乱れる様子を雪に見立てたものとされています。でもこれは、ヤナギ科ではないだろうとは誰もが想像するところですが、実はユキヤナギもバラ科なのだそうです。 

Spiraea thunbergii

春は花についつい目を奪われますが、枯れているように見える枝から新葉が生き生きと出てくるのも観察され、その姿に生命力を感じます。アジサイは、梅雨に咲くべく、準備を始めています。

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