28.自分の下した決断を後悔しない

これまで多くの上司と接してきて、印象に残る言葉が数多くありました。  

その1つが、
「自分が決断したことは、それがどういう結果になっても後悔をしない」
です。 
  

その方は、工場の品質保証の責任者の方でした。
工場には大なり小なりトラブルが絶えず、それを時間単位で処理しなければなりません。
判断のために必要十分なデータがそろっていることはまずありません。
それでも、「自分の下した決断を後悔しない」と言い切れるのは、確固たる知識と信念がなければならず、私もそう言える人間になりたいと思っていました。
  

 その後、私もいくつかの部門の責任者をしましたが、むしろ「後悔あとを立たず」でした。
ある判断をして、それが考えていた結果と異なる状況になると、別の判断のほうがよかったのではないかと思うことがしばしばでした。
 

 しかし、私達はある判断を下したら、その結果しか知りえません。
別の判断の結果がどのような顛末になるのかについては想像しているだけです。
想像の世界は、だいたいが現実より好ましいことが多いものです。
別の判断をしたところで、やはりそれ以外の判断をしたほうがよかったなと思うに違いないのです。
 

 判断、決断ですから、完璧というものはなく、批判的な意見も聞こえてきます。自分の下した判断は間違いがなかったと胸を張って言えるだけの思考過程、理論構築、そして覚悟が常日頃から大切だと思います。 

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